自衛隊は誰のものか

自衛隊は誰のものか

ジエイタイハダレノモノカ

講談社現代新書

「戦力なき軍隊」の理想と現実、なしくずし再軍備、旧軍人の策動、社会党の揺れ――国民不在のまま政争の具として翻弄されつづけた半世紀を問う。

自衛隊をめぐる焦点の移り変わり――
警察予備隊から自衛隊になるまでのあいだ首相だった吉田茂は、これが旧軍の復活にならないよう気をくばり、とくに旧軍人を採用するにあたっては細心の注意をはらった。吉田は、将来は新しい「国軍」に発展させるつもりで自衛隊を生んだのであった。吉田の弟子にあたる池田勇人も佐藤栄作も吉田がやり残したことに手をつけず、防衛政策はそのままなし崩しにすすんだ。結局、吉田が生んだ自衛隊を誰も責任をもって育てなかったのである。そうであれば当然、毎年自動的に予算が増えていくなかで、官僚の手でいささか無責任に自衛隊は育っていった。陸・海・空を統合した戦略もなにもなく、各自衛隊はばらばらの官僚機構にすぎなかった。――本書より


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目次

●「国家のない国に生まれたかった」
●戦力なき軍隊の誕生
●旧軍人の策動
●池田・ロバートソン会談の神話と真実
●ヘリ空母構想とその破綻
●三矢作戦研究
●「防衛力の限界」論争
●湾岸戦争症候群から「普通の国」へ
●自衛隊をめぐる焦点の移り変わり
●日米安保の再々定義
(抜粋)

書誌情報

紙版

発売日

2002年01月18日

ISBN

9784061495845

判型

新書

価格

定価:726円(本体660円)

通巻番号

1584

ページ数

216ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介