
エロイカの世紀
エロイカノセイキキンダイヲツクッタエイユウタチ
- 著: 樺山 紘一

ナポレオン革命とベートーヴェンはどう交錯したか。ヘーゲルは馬上の英雄に何を見たか……近代とともに誕生した「世界史的偉人」を通じて、革命の世紀を生き生きと描く。
英雄の世紀――ナポレオンという「英雄」は、ことによると、ひとつの幻影にすぎないかもしれない。だが、多数の「世界史の偉人」たちが、まだまだ肩をならべて、「エロイカの時代」を演じているのではないか。変革にたずさわった政治家・軍人たち、つまりワシントンやフランクリンも、ロベスピエールも英雄と名づけてよかろう。
いや、政治ばかりか産業にも芸術にも英雄の名にあたいする巨人たちが頭をならべる。そもそも、ベートーヴェンとヘーゲルという、おない歳のドイツ人こそが、英雄の筆頭にたっているようにもみえる。
ときは、「エロイカの世紀」であった。わたしは、これからその「エロイカの世紀」を、たどりたいと考えている。「世界精神の事業遂行者たる使命をおびた世界史的個人」(ヘーゲル)としてのエロイカは、あらゆる領域に姿をあらわすことであろう。――本書より
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目次
第1章 英雄(エロイカ)の世紀
第2章 啓蒙の賢人から普遍の天才へ
第3章 啓蒙都市民の誕生
第4章 ヨーロッパ国際関係のなかのドイツ
第5章 ナポレオン革命
第6章 ナポレオン・ショック
第7章 市民と英雄
第8章 古典主義からロマン主義へ
第9章 静穏の1820年代
書誌情報
紙版
発売日
2002年01月18日
ISBN
9784061495890
判型
新書
価格
定価:748円(本体680円)
通巻番号
1589
ページ数
232ページ
シリーズ
講談社現代新書