地名で読むヨーロッパ

地名で読むヨーロッパ

チメイデヨムヨーロッパ

講談社現代新書

パリの由来は?スペインとはどんな意味か。
神話や英雄物語から生まれ、先人たちの生活ぶりを伝える地名の不思議。

パリの起源とモンマルトル――ケルト語起源の都市名の代表的なものにパリ(Paris)があります。この地名はケルトの部族名パリシー(Parisii)が語源です。パリシーはケルト語par(船)に由来すると考えられていて……パリ市役所(Hotel de Ville)の表玄関のドアには、荒波にもまれながら1枚の広い帆を掲げセーヌ川をさかのぼるガレー船をあしらったものがはめられています。2階の幾つもの窓に飾られた紋章にはラテン語でFluctuat nec mergiturと書かれています。それは「荒波にもまれるも沈没せず」と訳せます。……
モンマルトルという地名は「殉教者の丘」(Mount of Martyr)という意味で、……伝説によると、パリの初代司教聖ドニはこの地で首を切られて殉教しますが、自分の首をもって北へ10キロ離れた所まで歩いて行って倒れました。そして、彼が倒れた地がサン・ドニと呼ばれるようになるのです。――(本書より)


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目次

序章 ヨーロッパの原像と地名
第1章 地中海文明の夜明けと世界観
1 神話のロマンへといざなうギリシャの地名
2 地中海におけるフェニキアとギリシャの足跡
第2章 ヨーロッパの基底民族ケルト人
1 ヨーロッパの土台を形作るケルト系の地名
2 ケルト系の地名をもつ都市
3 ケルト人の信仰と地名
第3章 覇者ローマとヨーロッパの都市
1 皇帝アウグストゥスに由来する地名
2 ローマ帝国最前線の地名
3 ローマ人の足音が聞こえるブリテン島の都市や町
4 城砦から発展したイギリスの都市
第4章 ゲルマン的ブリテンの形式
1 アングロ・サクソン人の定住地と地名
2 イギリスの地形と地名
3 中世イギリスの社会組織と地名
4 デーンロー地帯の地名
第5章 中世的世界から大航海時代へ
1 マッパ・ムンディに描かれた世界
2 北欧神話の世界観とヴァイキングの活躍
3 大航海時代の地名

書誌情報

紙版

発売日

2002年02月27日

ISBN

9784061495920

判型

新書

価格

定価:748円(本体680円)

通巻番号

1592

ページ数

248ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介