日米安保を考え直す

日米安保を考え直す

ニチベイアンポヲカンガエナオス

講談社現代新書

安保は日本を守っているか?
偏在する米軍基地、地位協定、核と密約、主体なき日本外交。日本とアメリカ、本土と沖縄の2つの軸から、安保を「非対称」の問題として問い直す。

●日米安保の「非対称性」とは何か
「日本を守る」と「極東を守る」
日米地位協定
●対称性へのバランス・シート
事前協議制と密約
●安保は日本外交をどう変えたか
「甘やかし」の対日政策
●日米安保はどう変わるか
新ガイドラインと「有事」
沖縄基地の役割はどう変わるか
(目次より)

「物と人の協力」――この「物と人の協力」という相互性が非対称的であるため、いつまでも日米双方から安保への不満が出る。冷戦後の今日、「物と人の協力」から「人と人の協力」へと安保を変え、より対等なかたちの同盟へ向かうべきだという意見もある。しかし、はたして日米安保に、真の意味での「物と人の協力」関係があっただろうか。ここまでみてきたように、日本防衛に限定してみるとき、日米の防衛力増強こそが最善の道だと米国は考えてきた。(中略)
日本防衛に在日米軍が直接関わることはない。在日米軍は、日本防衛のための直接戦闘を行う能力を持たないということだ。米太平洋軍は、米軍が日本に存在すること自体が最大の貢献であり、その存在によって米国の保障を示しているのだ、と考えていた。――(本書より)


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書誌情報

紙版

発売日

2002年05月20日

ISBN

9784061496088

判型

新書

価格

定価:726円(本体660円)

通巻番号

1608

ページ数

208ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介