パリ歴史探偵術

パリ歴史探偵術

パリレキシタンテイジュツ

講談社現代新書

パリで味わうヨーロッパの古層
中世の城壁、パサージュの抜け道、幻のトイレ、写真館に青空市場……
少年プルーストが走り、モネ、ルノワールが集まった街角を探索する。

まぼろしの公衆トイレを求めて――「失われた時を求めて」の節目節目で、たいせつな機能を果たしている緑色のトイレなのだけれど、実はプチ・パレの近く、現在では「マルセル・プルーストの散歩道」と命名された緑陰の小径にちゃんと残っている。
その形からして、第二帝政時代の料金15サンチームのトイレに酷似している。してみると、パリ万博ガイドブック(1867年)で「シャンゼリゼ:凱旋門に向かって右側」とあった無臭トイレが、そのまま生きながらえているとも思われる。
「失われた時を求めて」の話者になりきって、この建物のかびくささを体験してみれば、あなたの無意志的記憶が浮かび上がってくるかもしれない。――(本書より)


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目次

●1 3つの壁、3つの時代
1 中世に飛ぶ
2 古地図のなかのパリ
3 入市税関の時代
●2 パサージュを渡り歩く
●3 昔のガイドブックから
1 「パリ=ディアマン」1867年版
2 局留め便、ひとむかし前のメール
3 写真館の時代
●4 まぼろしの公衆トイレを求めて
●5 記憶の場としてのマルヌ川
1 「居酒屋」の時空間
2 マルヌ川の岸辺で思うこと
3 思いがけず廃線歩き
●6 印象派の散歩道

書誌情報

紙版

発売日

2002年05月20日

ISBN

9784061496101

判型

新書

価格

定価:770円(本体700円)

通巻番号

1610

ページ数

264ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介