がんで死ぬのはもったいない

がんで死ぬのはもったいない

ガンデシヌノハモツタイナイ

講談社現代新書

注目の外科医がすべてを明かす――
患者よ、がんと闘おう!

日本の進行癌患者は見捨てられている!
医師と患者はどのように共闘できるのか。
注目の外科医が赤裸々に綴る感動の記録。

『最後の入院』
「手術は一流だが、抗癌剤治療は三流」と言っても誉めすぎで、つい最近まで「手術は一流だが、抗癌剤治療はなし」と言ったほうが正確だった。
しかたがない。日本の癌治療で最も大切なことは、患者に癌と気づかれないことだったのだから。
抗癌剤を患者に気づかれないようにきちんと使うには相当の技術がいるし、危険でもある。だから日本の外科医は、今でも「免罪符」のように5FU系口径抗癌剤を多用する。アリバイ的癌治療と呼んでもいい。
日本の癌治療のすべては、手術だけで決まった。もし不幸にして癌が再発したならば、外来でその患者を診ている外科医は、そのまま粘れるだけ粘れるしかないのだ。せいぜい、家族を本人とは別に呼び出して「もう残り時間はあまりありません。1日1日を大切に過ごさせてあげてください」と言うしかないのである。でも、これがいったい何のアドバイスになるというのだ。これが医者の言う言葉か。――(本書より)


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目次

●最高の笑顔
簡単に死なせるわけにはいかない
●「がんとは、どんな病気ですか?」
「がんという病気はない」
●癌の手術と抗癌剤治療
なぜ外科医が抗癌剤治療を行うのか
●自分の癌を知るということ
手足を縛られた治療
●医師が患者を看取るとき
昭和天皇の「手術後の治療」
(抜粋)

書誌情報

紙版

発売日

2002年06月20日

ISBN

9784061496118

判型

新書

価格

定価:792円(本体720円)

通巻番号

1611

ページ数

256ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介