
北朝鮮難民
キタチョウセンナンミン
- 著: 石丸 次郎

潜伏生活、難民花嫁、強制送還、支援組織、亡命ルート
誰も書けなかった悲劇の全貌!
小さな越境者たち――98年の初頭から子供だけで豆満江を渡ってくるケースが急増した。そのほとんどは両親、あるいは片親が死んだり行方がわからなくなってしまった子供たちだった。物乞いで金を稼いでまた北朝鮮に戻る還流型が過半数で、たくましくも、大人に代わって出稼ぎにきているという考えを持っている子供が多かった。
北朝鮮に戻ることを決心すると、貯めたお金を小さく折りたたみ、ビニール袋で薄く包んでライターで溶かして密閉する。ちょうど錠剤のカプセルのようなものを作るのだ。そして渡河する直前に飲み込む。こうすれば、もし渡河した後に国境警備隊に見つかっても、お金を取られなくて済むのだ。お金は数日内に大便と一緒に出てくるという寸法だ。
中国の100元は97年以降およそ2500朝鮮ウォンで交換できる。4人家族が2、3カ月暮らしていけるのだ。――(本書より)
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目次
序章 瀋陽事件が光を当てた「匿されし難民たち」
1章 なぜ難民が生まれたのか
2章 北朝鮮脱出ルートと強制送還の恐怖
3章 中国を彷徨う北朝鮮難民
4章 韓国入りを果たした後に
5章 日本生まれの北朝鮮難民
終章 激変する難民の意識、そして日本の役割
書誌情報
紙版
発売日
2002年08月20日
ISBN
9784061496217
判型
新書
価格
定価:726円(本体660円)
通巻番号
1621
ページ数
208ページ
シリーズ
講談社現代新書