スポーツを「視る」技術

スポーツを「視る」技術

スポーツヲミルギジュツ

講談社現代新書

「明日の勝者」の戦略を知れ!
勝者には勝者の理由がある――プロ野球、サッカー日本代表など、トップに立つための技術と戦略を検証する。

指揮官とは何か――
ライオンズはここ4年間、パ・リーグの優勝から遠ざかっていたが、指揮官・伊原春樹は、就任1年目で王座奪還を果たしたことになる。伊原はネームバリューこそ全国区とは言い難いが、その采配の的確さ、切れ味は他の追随を許さない。いわゆる玄人受けのする指揮官である。

――ここ数年、貧打に泣いていたライオンズですが、今季は大幅に得点力がアップしました。その原動力が5番に定着した和田一浩だと思います。
伊原 実は、僕が監督になってすぐに彼に言い渡したんです。「もうミットはいらないよ」って。
――すなわちキャッチャー失格だと。これは本人にはショックでしょうね。
伊原 実際、本人は相当ショックを受けていたみたいですよ。しかし、彼はキャッチャーに向いていなかった。人間が正直過ぎて人を騙すことができないんです。――(本書より)


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目次

第1章 プロ野球を語る視点
1.指揮官とは何か――西武・伊原春樹監督の発想法
2.メジャーリーグの流儀
(1)「書かれざるルール」――イチロー、新庄も遭遇した本場
(2)奇跡のセットアッパー――長谷川滋利の頭脳
(3)先駆者の誇り――野茂英雄かく語りき
3.孤高の天才打者――前田智徳という精神性
第2章 サッカーを語る視点
1.トルシエ・ジャパンの総決算――日本代表全4戦の軌跡
2.これが世界の戦いだ――ゲームの語り方
3.川淵三郎インタビュー――ジーコへの期待、改革への志
4.ジーコ、日本代表を語る――システムよりゴールを
第3章 歴史を変える者たちへの視点
1.高橋尚子――シドニー五輪金メダルを決めた「勝負の分かれ目」
2.原田雅彦――長野五輪を制した波乱万丈のジャンプ
3.徳山昌守VS.名護明彦――「距離」を破れなかった挑戦者
4.アントニオ猪木――境界を超えた格闘家の謎
5.モーリス・グリーン――世界最速を生む理論と筋肉
6.高橋健次――アイスバックスに賭けた男

書誌情報

紙版

発売日

2002年10月18日

ISBN

9784061496309

判型

新書

価格

定価:792円(本体720円)

通巻番号

1630

ページ数

232ページ

シリーズ

講談社現代新書

初出

本書は月刊「現代」連載「スポーツ・ラジカル派宣言」に加筆修正して再構成初出。孤高の天才打者ーTitle2000年7月号「前田知徳 孤高のルーツ」 アントニオ猪木ーNumberPLUS2000年1月号「アントニオ猪木 異種格闘技戦の真実」 モーリス・グリーンーNumberPLUS2000年10月5日号「スプリンター進化論」

著者紹介