
中国と台湾
チュウゴクトタイワンタイリツトキョウゾンノリョウガンカンケイ
- 著: 岡田 充

激化する軍拡競争、支えあう経済、暗躍する密使、新指導者、米中新冷戦――
新局面に入った中台関係の本質を抉る!
多面政治家、李登輝の一面として、中国との「裏」の関係を表すエピソードがある。李と江沢民ら中台首脳の意向を受けた「密使」の存在である。
台湾側の密使は、香港やマカオ、広東省などで頻繁に中国側と接触して、双方の政策のすり合わせや、中台対話に向けた秘密会談を重ねていた。
1996年のミサイル危機や「二国論」の際も、中台が事前に情報交換していたことになり、激しい非難の応酬の裏で、中台間には衝突回避に向けた「危機管理」が働いていた。
同時に「密使」の存在からは、米中台の三方がそれぞれの事情から「海峡の緊張」を必要とし、かつ利用する政治ゲームの実相が垣間見える。――(本書より)
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目次
1章 「台湾海峡の緊張」という虚構
2章 深まる経済相互依存のジレンマ
3章 中国共産党の変貌
4章 李登輝による「虚構崩し」
5章 陳水扁政権はどこへ行くか
6章 独立か、統一か 多元化する政治潮流
7章 米中協調関係の「虚」と「実」
8章 軋む「七二年体制」
エピローグ 求められる多角外交戦略
書誌情報
紙版
発売日
2003年02月18日
ISBN
9784061496491
判型
新書
価格
定価:814円(本体740円)
通巻番号
1649
ページ数
256ページ
シリーズ
講談社現代新書