生き方の人類学

生き方の人類学

イキカタノジンルイガクジッセントハナニカ

講談社現代新書

知はいかに身体に宿るか。
ウィトゲンシュタイン、ブルデューの彼方を探る論考。

私たちは知識を操作しているのではない
知識を生きているのだ!

では、私たち、あるいは彼らは自分たちの行っている実践について、何を知っているのだろうか?これは知に関する古くからの哲学的問いであるとともに、人類学的な問いでもある。……
占い師はコスモロジーという知識資源を使っているように見えるが、それが直接に彼の占いという実践を生みだしているのではない。それは単純な分類図式によって成りたつ、そこにおかれた占い道具にすぎない。占いの判断はそうしたすべての人びとに適用可能な単純な道具をやりくりし、クライアントの特性にあてはめることによって導きだされる。そこに占い特有のある種の神秘的な効果が生みだされるのである。……
知識は本に書かれたようなモノではなく生きた身体に宿っている。……
私たちは知識を操作しているのではなく知識を生きているのである。――(本書より)


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目次

序章 実践とは何か?
第1章 実践知の系譜
第2章 実践を生みだす母胎――ハビトゥス
第3章 実践コミュニティ
第4章 儀礼における実践――北タイの霊媒カルト
第5章 苦悩のなかの実践――エイズ自助グループ
第6章 アイデンティティと生き方

書誌情報

紙版

発売日

2003年03月18日

ISBN

9784061496552

判型

新書

価格

定価:792円(本体720円)

通巻番号

1655

ページ数

264ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介