
「おたく」の精神史
オタクノセイシンシ1980ネンダイロン
- 著: 大塚 英志

この国はなぜ袋小路にはいったか?
ニューアカ、ロリコンまんが、フェミニズム、黒木香、糸井重里、新人類、宮崎勤、岡田有希子、都市伝説、UWF
ロリコンまんがの誕生、岡田有希子の自死、キャラクター産業の隆盛、都市伝説ブーム、フェミニズムの隘路。現代日本社会の起源を探る試み。
90年代に入って起きた事件や、そこで問題化される事柄、あるいはネットや携帯の影響によってもたらされているといわれる新しい問題、それらはぼくにとってすでにいつか見て、あるいは語られたもののように思われた。 89年を境にぼくたちの言葉は政治においてもサブカルチャーにおいてもリハビリテーションされるべきであった。――あとがきより
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目次
第1部 「おたく」と「新人類」の闘争
1章―「おたく」の誕生
2章―「新人類」とは何であったのか
3章―記号としての性
4章―消費による革命
5章―末井昭と「エロ本」の自己解体
6章―新人類と男性原理
7章―「徳間書店第2編集局」とは何であったか
第2部 少女フェミニズムとその隘路
8章―岡田有希子と「身体なき」アイドル
9章―黒木香とピンクハウス
10章―「内面」の崩壊
11章―上野千鶴子の妹たち
12章―かがみあきらと「ぼくたちの時代」
13章―岡崎京子の居た場所
第3部 物語消費の時代
14章―ディズニーランドと現実化する虚構
15章―収集する主体
16章―UWFとは何であったか
17章―都市伝説化するジャーナリズム
18章―前世を探した14歳
19章―泡のような日々
20章―昭和天皇の死
21章―あの日のこと
第4部 90年代のなかの80年代
22章―湾岸戦争と「文学者」たち
23章―漂流する人々
24章―オウム真理教を論じるためのメモ
25章―宮台真司が「心」を語る理由
26章―福田和也と透明なナショナリズム
27章―「エヴァンゲリオン」と14歳
書誌情報
紙版
発売日
2004年02月20日
ISBN
9784061497030
判型
新書
価格
定価:1,045円(本体950円)
通巻番号
1703
ページ数
448ページ
シリーズ
講談社現代新書