俳句とエロス

俳句とエロス

ハイクトエロス

講談社現代新書

草城、子規、漱石から楸邨、ちづこまで
これがエロティシズム俳句だ!

連作俳句「赤い月」
赤い月にんげんしろき足そらす 富澤赤黄男
句集『魚の骨』(『現代俳句三』所収)の中の句です。「赤い月」と題する連作俳句五句中の一句。(中略)赤黄男句は、行為の瞬間の「女」の「足」の動きを描写していますので、一句から受ける印象が、大変エロティックになっています。ただし、不思議に猥褻感は、まったくありません。一句を読んだ後で読者に残るのは、「女」の白い「足」のエロティシズム。この一句は、もちろんのこと、五句全体、時にメタファーを用いながらの、朧化表現によって形象化されていることが、文芸作品としての質を保つことになったのだと思います。――<本書より>


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目次

第1章 『艶色句選』から日野草城へ
第2章 女人への憧憬
第3章 女体のエロティシズム
第4章 エロティシズムを演出する小道具
第5章 季語とエロティシズム
第6章 メタファーのエロティシズム

書誌情報

紙版

発売日

2005年01月20日

ISBN

9784061497702

判型

新書

価格

定価:792円(本体720円)

通巻番号

1770

ページ数

224ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介

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