検証・山内一豊伝説

検証・山内一豊伝説

ケンショウヤマノウチカズトヨデンセツナイジョノコウトダイシュッセノキョジツ

講談社現代新書

新書版『功名が辻』
「千代」の内助の功はどこまで本当か?「土佐藩主」は大出世ではなかった!
新史料で謎多き武将の実像に迫る

山内一豊の「伝説」とは
●一豊に名馬を買わせるために妻・千代はへそくりの黄金十両を差し出した。
●関ヶ原前夜、千代が届けた「密書」で一豊は家康の信頼を得た。
●そのおかげで一豊は土佐二十四万石の藩主となり大出世をとげた。
土佐山内家宝物資料館長が真偽を明かす!

「大出世伝説」に異議あり
一豊の生涯において土佐入国は、いわば出世物語の上がりの場である。その出世を具体的に数字で証明するのが、転封を重ねるごとに増加を続ける領知高である。近江唐国四百石を振り出しに漸次増石を続け、掛川で五万九千石を領したことはすでに見てきたとおりである。そして一豊の土佐入国こそは「掛川五万石から土佐二十四万石へ」の大出世といわれている。この通りならば約5倍の増加率であり、掛川の領知高を正式の五万九千石として計算しても、4倍強の出世となる。これが「一豊大出世伝説」の根拠なのだが、私はこの伝説に異を唱えたいと思う。――<本書より>


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目次

第1章 流浪時代と「黄金十両の名馬」
第2章 秀吉の天下と「天皇献上の小袖」
第3章 関ヶ原の戦いと「笠の緒の密書」
第4章 「土佐二十四万石」の真実
第5章 藩祖夫人の「最後の戦い」

書誌情報

紙版

発売日

2005年10月20日

ISBN

9784061498129

判型

新書

価格

定価:792円(本体720円)

通巻番号

1812

ページ数

232ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介