「責任」ってなに?

「責任」ってなに?

セキニンッテナニ

講談社現代新書

私は悪くない。与えられた「役割」を果たしただけ。歯車だから。ああするしかなかった。「ほんとうの自分」は違うんだ。――これ、どこかおかしくないか?

責任があるとは?
責任がある・責任を担う、ということは、「なぜ、どういう理由(わけ)で、そうするの?」という問の前に立たされることを含意する。しかし、この問は、ガウンをまとった審判者からの詰問ではない。たしかに問われた場面だけを抜き出すと、そうした詰問でしかないように思えることも多々あろう。しかし、その問いかけは、根底的には、共生を模索し、よりよき共生を求めるがゆえの、呼びかけなのである。責任がある、ということは、裁判所から灰色の呼び出し状が来ることでもなく、弁済や配慮の負担を課されることでもなく、なお呼応可能な人-間でありえている、という悦ばしい報せなのである。――<本書より>


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目次

第1章 責任という概念
第2章 責任と自由――責任の条件
第3章 責任の主題
第4章 責任の主体――誰が責任を負うのか
第5章 役割と自己――その切断
第6章 じわじわとひろがる解離傾向
第7章 国家という集団――戦争責任
第8章 責任の空洞化
終章 人間として生きるために

書誌情報

紙版

発売日

2005年12月18日

ISBN

9784061498211

判型

新書

価格

定価:814円(本体740円)

通巻番号

1821

ページ数

264ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介