X線・光・中性子散乱の原理と応用

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X線・光・中性子散乱の原理と応用

エックスセンヒカリチュウセイシサンランノゲンリトオウヨウ

本書のメインテーマは「X線・光・中性子の弾性散乱現象」を利用したソフトマター物質の内部構造の解析である。X線・光・中性子の弾性散乱現象の物理とその基礎を示し、実際の応用例について幅広く解説した、散乱研究の第一人者による待望の書である。本書を読んで、散乱法による構造解析を正しく行うと同時に、メゾスケールでの構造研究へと展開していっていただきたい。


本書のメインテーマは「X線・光・中性子の弾性散乱現象」を利用したソフトマター物質の内部構造の解析である。X線・光・中性子の弾性散乱現象の物理とその基礎を示し,実際の応用例について幅広く解説した,散乱研究の第一人者による待望の書である。

「第I部 基礎編」では,X線・光・中性子の弾性散乱における共通部分,相違部分の総合的解説を行った。
「第II部 X線・中性子散乱」では,X線(光子)の自由電子による散乱および中性子(物質波)の原子核による散乱について論じた。これらの散乱は,いずれも「光学的に」等方的な散乱である。
「第III部 光散乱」では,光の束縛電子による散乱について解説した。光散乱は,「光学的に」異方的な散乱(偏光解消成分)と等方的な散乱(偏光成分)からなる。

本書では散乱ベクトルとは何か,散乱強度分布からどのようにして内部構造が解析できるのか,といった基本的な事柄から懇切ていねいに解説した。各章末にあるノートでは式の導出などについてもわかりやすく示した。また,本文に掲載できなかった章,節,項またはその一部は付録としてweb上に公開した.

散乱法は,物理学,化学,生物学,材料科学・工学などのさまざまな科学分野,およびこれらの学際分野での物質の構造探究に用いられており,現在もさまざまな対象に広がりを見せている。本書を読んで,散乱法による構造解析を正しく行うと同時に,メゾスケールでの構造研究へと展開していっていただきたい。


  • 前巻
  • 次巻

目次

序章
第I部 基礎編
第1章 X線・可視光・中性子の散乱機構の比較
第2章 散乱波の干渉とBorn近似:波動力学に基づく散乱の記述
第3章 X線・可視光の散乱
第4章 X線・可視光に対する電子のふるまいの相違:Thomson散乱とRayleigh散乱
第5章 散乱による電磁波の偏光と光散乱における光学異方性の寄与
第6章 散乱波の干渉とRayleigh‐Gans‐Born‐Debye近似
第7章 逆関係の現象の物理
第8章 構造因子:構造のFourierスペクトル強度分布
第II部 X線・中性子散乱(等方性散乱)
第9章 孤立粒子の散乱
第10章 ゆらぎと散乱:散乱の統計理論と散乱体の統計的評価
第11章 粒子間干渉効果(その1:液体)
第12章 パラクリスタル格子・超格子の回折
第13章 フラクタル構造による散乱
第14章 階層構造と複合散乱法
第III部 光散乱
第15章 固体・凝集体からの光散乱
第16章 実験装置および方法
第17章 ゆらぎによる光散乱
第18章 フィブリル状組織による光散乱
第19章 球晶組織による光散乱
第20章 光学異方性高次組織の超構造と散乱
※付録は下記よりダウンロード可能です。
付録1 電磁波に関するMaxwellの方程式について
付録2 第8章8.1節で示した一般論の具体例:ブロック共重合体のラメラ状ミクロドメイン
付録3 第9章 孤立散乱についての補足
付録4 第10章 ゆらぎと散乱:散乱の統計理論と散乱体の統計的評価についての補足事項
付録5 粒子間干渉効果(その2:固体)
付録6 パラクリスタルの回折像の形状
付録7 ナノ複合体の階層構造の物性論的解析
付録8 複合光散乱像

書誌情報

紙版

発売日

2017年08月29日

ISBN

9784061543973

判型

A5

価格

定価:7,700円(本体7,000円)

ページ数

416ページ

電子版

発売日

2017年10月06日

JDCN

06A0000000000008305R

著者紹介

著: 橋本 竹治(ハシモト タケジ)

京都大学名誉教授

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