
日本古典入門
ニホンコテンニュウモン

古典の研究に殉じた池田博士が、深い専門知識を踏まえて、日本の古世から近世にいたる文学作品のなかから21種を選んで概説したのが、本書『日本古典入門』である。古典を専門の研究者のみでなく、ひろく一般の人々にも親しまれる共有の遺産たらしめたい、というのが博士の持論でもあった。したがって高度の学術論文のばあいと同様に、全力を傾注して真剣にたちむかわれた述作であることは疑いえないところである。(本書解説より)
- 前巻
- 次巻
目次
1 古事記――民族の叙事詩
2 万葉集――古代抒情詩集
3 古今和歌集――国民文学の典型
4 竹取物語――叙事的物語
5 伊勢物語――抒情的物語
6 かげろふ日記――私小説の祖
7 宇津保物語――叙事詩的構成の物語
8 枕草子――高き知性の文学
9 源氏物語――世界最古の長編写実小説
10 今昔物語集――噂話の集大成
11 堤中納言物語――多彩な短編小説集
12 更級日記――日記につづる夢と幻
13 新古今和歌集――象徴的世界の確立
14 平家物語――中世叙事詩の精華
15 つれづれ草――普遍的世界への凝視
16 西鶴の浮世草子――旺盛なる現実追求の文学
17 近松の世話浄瑠璃――人間愛と武士道の葛藤
18 芭蕉の俳諧――感傷詩の確立
19 蕪村の俳句――新しい蕉風の展開
20 雨月物語――怪奇と幻妖の文学
21 里見八犬伝――知的構成の大小説
書誌情報
紙版
発売日
1976年06月04日
ISBN
9784061580169
判型
A6
価格
定価:572円(本体520円)
通巻番号
16
ページ数
131ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
その他: 蟹江 征治(カニエ セイジ)