
論語について
ロンゴニツイテ

『論語』が長いことわれわれ日本人の間で読まれてきたのはなぜか。それは、人間として最も重要な人と人との愛情こそを人間の根本の義務とする『論語』の精神が、人々の心に深く訴えたからではないか――。杜甫の詩とともに、『論語』をこよなく愛する著者が、ときには『聖書』との比較をとおし、『論語』の真髄は何かを諄々と語り、また『論語』のことばによって、学問と政治に一身をささげた孔子の生涯とその人となりを鮮やかに浮きぼりにする。
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目次
1 「論語」について――その1
――慶応義塾小泉信三記念講座講演――
2 「論語」について――その2
3 新しい慟哭
――孔子と「天」――
4 古典講座「論語」
――NHK放送――
1.日本における「論語」宣長のことなど
2.日本、中国、朝鮮、ベトナムでの普及その原因
3.現代中国と「論語」孔子の出生
4.孔子も神の子であるという説幼少年時代
5.「三十にして立つ」孔子と音楽
6.さいしょの挫折 斉の景公
7.「論語」の冤罪 「君君たらずとも」など
8.「論語」をとりまく現実 「其の宮に入りて、其の妻を見ず、凶」
9.謀叛人との接触
10.「吾れ豈に匏瓜ざらんや」
11.「政を為すに徳を似ってす」
12.孔子と老子
13.「鳥獣は与に群れを同じくす可からず」
14.「論語」の世界の人と「聖書」の世界の人
15.菅原道真 仁斎 徂徠
16.「郷党」篇 孔子の私生活
17.「焉んぞ殺すを用いん」 戦争
18.勇気 執政 亡命 放浪
19.「天の未まだ斯の文を喪ぼさざるや」
20.好徳と好色 皇侃「論語義疏」
21.自信と失望
22.晩年 死
23.人間への信頼
24.人間の可能性と限定
25.運命論
26.熟慮 節度 <中庸>
27.むすび 「論語」と私
書誌情報
紙版
発売日
1976年09月08日
ISBN
9784061580619
判型
A6
価格
定価:946円(本体860円)
通巻番号
61
ページ数
288ページ
シリーズ
講談社学術文庫