絵の言葉

絵の言葉

エノコトバ

講談社学術文庫

絵は言葉である。それ自体に意味を持っている。その意味を読み取る文法と辞書が、「言葉」と同じように「絵」にもある。本書は、古今東西の絵画にそくしつつ、画像の持つシンボリックな意味をどう探り、絵の発するメッセージをどう解読するかを具体的に示しながら、人類社会にとって「絵」とは何か、何でありうるのかという本質的な問題を追求したもの。談論風発、才気煥発の趣のうちに、読む人の絵の見方をおのずと一変せしめる好著。


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目次

1 絵は言葉である
  1.絵主文従と文主絵従の角逐
  2.絵を読むということ
  3.アイコノロジーの諸相
  4.絵の機能――普遍と特殊・プラスとマイナス
  5.言葉のイメージと絵のイメージ
  6.絵はインターナショナルではないということ
2 絵に文法と辞書がある
  1.西洋絵画に特有の約束事「アレゴリー」の発達
  2.自然言語的イメージ文法――地域別・時代別の絵の文法
  3.イメージの一般文法および疑似国際語
  4.説得の技術としての造形――バロック美術その他
  5.イメージ・コミュニケイションの論理操作
    ―遠近法・抽象絵画・標識その他
  6.イメージ文化の地域性――流行・誤解・選択受容・風土その他
  7.日本の場合――潜在的シンポリズムのこと・文化的抵抗力のことなど
  8.造形の機能――巨大遺蹟・地上絵・都市・動物形態その他
  9.美と自然の関係――美人の基準についての考察をもとに
3 絵と自然のつながりを読む
  1.ラスコー型の洞窟壁画とタッシリ型の岩壁画――
    発生期の絵の機能と表現形態について
  2.イメージとサイン――ものの見える世界と見えない世界について
  3.直線と曲線――自然の取りこみ方と絵の独立性について
  4.理性的認識と感性的認識――空間把握の深層文法について
  5.生と死――色の持つ象徴性について
  6.風物と人間――西洋の造形意識の特殊性について

書誌情報

紙版

発売日

1976年10月08日

ISBN

9784061580749

判型

A6

価格

定価:836円(本体760円)

通巻番号

74

ページ数

234ページ

シリーズ

講談社学術文庫

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