
資本主義の文化的矛盾(下)
シホンシュギノブンカテキムジュン

公共家族(パブリック・ハウスホールド)という言葉が、本書で初めて日本に紹介される。それは、今までの経済学や社会学が、個人と企業を中心に考えてきて、真剣にとりくむことのなかった第三の部門である。それはまさに脱工業化社会の中心領域である。日本でも、企業エゴ、住民エゴ、地域エゴ等と呼ばれる状況が生じてきた。争い合う権利要求のため、政治は立ち往生している。この現代的な問題を解決するのが、公共家族の理念なのである。
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目次
第2部 現代政治のディレンマ
はじめに――文化と政治の関係
●第5章 動揺するアメリカ
(1) 不安定の構造的分析
・1 国家的危機を引き起こすもの
・2 現代アメリカの苦悩
・3 60年代の社会変化
・4 アメリカの構造的革命
・5 アメリカの将来を考える
(2) 将来の世界とアメリカの運命
・1 国際社会の成立
・2 アメリカは更年期か
●第6章 公共家族――財政社会学と自由主義の理念
(1) 公共家族と経済成長
・1 公共家族の社会学
・2 財政社会学の誕生
・3 新しい権利革命
・4 経済成長のディレンマ
・5 信念の危機
(2) 公共の哲学の確立
・1 公共家族の理念
・2 公共社会のユニット
・3 自由と平等
・4 将来の世代への平等
・5 公的なものと私的なもの
・6 自由主義の再認識
●第7章 著者と訳者の対話
・1 社会学者の役割
・2 1970年代はどういう時代か
・3 宗教のイメージ
・4 公共概念のあり方
書誌情報
紙版
発売日
1977年01月13日
ISBN
9784061580862
判型
A6
価格
定価:946円(本体860円)
通巻番号
86
ページ数
277ページ
シリーズ
講談社学術文庫