
日本語を考える
ニホンゴヲカンガエル

日本人の文字生活の指針たるべく、新漢字表試案が発表された。昭和55年の実施を目指し、国民各層から論議されることだろう。しかし、本当の国語問題は、現在の日本語で認識・伝達・思考・創造の4つの働きが十分に行われるかどうか、言葉としての働きを高めるため日本語をどのように発展させるべきかということだと著者は主張する。日本語に関心を持つすべての人々にとって、正しい言葉遣いと文章を知るための絶好の書である。
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目次
●第1章 共通語
1 共通語の必要性
2 東京語化
3 全国共通語
4 変化する東京語
●第2章 言葉の規範
1 東京のなまり
2 伝統と復古
3 規範意識
●第3章 聴覚と視覚
1 言葉と視聴覚
2 耳の文学
3 目の文学
4 漢字と仮名
●第4章 漢字の表音性
1 熟字訓
2 漢字の表音的用法
3 当て字
4 当て字の表意性
5 何が当て字か
●第5章 語の書き分け
1 送り仮名のいろいろ
2 送り仮名と語の識別
3 語の意味の書き分け
●第6章 同音の語
1 同音異義の語
2 漢字と同音語
3 外来語の同音語
4 同音語を避ける
5 同音語をふやすな
●第7章 文法意識と文法知識
1 一般人と文法
2 表現と助詞
3 助動詞「う」の用法
4 文法意識の変化
5 文末の表現の仕方
●第8章 敬語
1 男女の物の言い方の差
2 女性と敬語
3 「お」の用法
4 過度の敬語使用
5 敬語の混乱
6 敬意と敬語
●第9章 語源
1 語源をさぐる
2 一般人の語源意識
3 意味用法の変化
●第10章 時代と表現
1 世相と言葉
2 表現は変る
●第11章 外来語
1 ふえる外来語
2 外来語の多用される場面
●第12章 専門語と一般語
1 むずかしい専門語
2 漢語表現の欠点と利点
3 専門語と一般人
4 むずかしい言い方を喜ぶ
●第13章 雅語と俗語
1 文学の用語
2 言葉の背景にあるもの
3 文学と新しい表現
4 文学における言葉の働き
●第14章 方言と文学
1 東国語と江戸言葉
2 江戸の人の考えた田舎弁
3 関西弁と文学
4 東京弁と文学
5 方言の使い方の問題点
書誌情報
紙版
発売日
1977年06月08日
ISBN
9784061581593
判型
A6
価格
定価:836円(本体760円)
通巻番号
159
ページ数
230ページ
シリーズ
講談社学術文庫