
今昔物語集(三)
コンジャクモノガタリシュウ
- その他: 国東 文麿

『今昔物語集』巻3は維摩(ゆいま)・文殊(もんじゅ)・目連(もくれん)・舎利弗(しゃりほつ)・賓頭盧(びんずる)など仏弟子たちの霊験教化にかかわる説法を収め、巻末に沙羅双樹下の哀愁にみちた釈尊入滅関係話を置いて巻一から続く釈尊在世時の説話を終える。教化を受けるものは国王・后・王子・王女をはじめ、長者から下婢・異類に及び、それらのさまざまな人間的欲望に基づく苦悩の救済を通じて、釈尊と仏法の尊さを語ろうとする。中でも阿闍世(あじゃせ)王が父王を殺し教化される話は有名である。
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目次
・天竺(てんぢく)のび舎離(しゃり)城の浄名居士(じゃうみょうこじ)の語、第一
・文殊(もんじゅ)、人界(にんがい)に生まれたまへる語、第二
・目連(もくれん)、仏の御音(みこゑ)を聞かむが為に、他の世界に行ける語、第三
・舎利弗へん縁(しゃりほつへんえん)して、暫く籠居(ろうきょ)せる語、第四
・舎利弗、目連、神通(じんづう)を競べたがる語、第五
・舎利弗、阿難(あなん)を慢(あなづ)れる語、第六
・新竜、本竜を伏(ぶく)せる語、第七
・瞿婆羅(くばら)竜の語、第八
・竜の子、金翅鳥(こんじてう)の難を免れたる語、第九
・金翅鳥の子、修羅の難を免れたる語、第十
・釈種、竜王の聟(むこ)と成れる語、第十一
・須達(しゅだつ)長者の家の鸚鵡(あうむ)の語、第十二
・仏、耶輸多羅(やしゅだら)の宿業(しゅくごふ)を説きたまへる語、第十三
・波斯匿(はしのく)王の娘金剛醜女(こんがうしゅにょ)の語、第十四
・摩竭提(まかだ)国王燼杭(じんかう)太子の語、第十五
・貧女、現身に后と成れる語、第十六 ほか
書誌情報
紙版
発売日
1981年05月07日
ISBN
9784061583078
判型
A6
価格
定価:990円(本体900円)
通巻番号
307
ページ数
293ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
その他: 国東 文麿(クニサキ フミマロ)