
今昔物語集(五)
コンジャクモノガタリシュウ
- その他: 国東 文麿

『今昔物語集』巻五は釈尊以前の、インド古代伝承にもとづく種々の説話を収める。前四巻に比べて世俗説話性が濃厚であり、僧迦羅国(今のスリランカ)建国由来談をはじめ、国宝の夜光玉を盗んだ盗賊が半国を賜わった話、女色に迷った一角仙人の話、月の中の兎の話、虎の威を借る狐の話、棄老国の話など、人間のさまざまな欲望をとらえて波乱に富んだ興味深い話が多く、それらが釈尊の前生や仏法ないし処世訓と結びついて語られる。
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目次
・僧迦羅(そうから)・五百の商人(あきびと)、共に羅刹国(らせつこく)に至る語、第一
・国王、鹿を狩りて山に入り娘を師子に取らるる語、第二
・国王、盗人の為に夜光る玉を盗まるる語、第三
・一角仙人、女人を負い、山従り王城に来る語、第四
・国王、山に入りて鹿を狩り鹿母夫人(ろくもぶにん)を見て后と為る語、第五
・般沙羅(はんしゃら)王の五百の卵、初めて父母(ぶも)を知る語、第六
・波羅奈(はらな)国の羅ご(らご)大臣、国王を罸(う)たんと擬(せ)る語、第七
・大光明王、婆羅門(ばらもん)の為に頭を与ふる語、第八
・転輪聖王(てんりんじゃうわう)、求法(ぐほふ)の為に身を焼く語、第九
・国王、求法の為に針を以て身を螫(さ)さるる語、第十
・五百人の商人、山を通りて水に餓うる語、第十一
・五百の皇子、国王の御行(みゆき)に皆忽に出家する語、第十二
・三の獣、菩薩の道を行じ、兎身を焼く語、第十三
・師子、猿の子を哀び肉(しし)を割きて鷲に与ふる語、第十四
・天竺の王宮焼くるに歎かざりし比丘の語、第十五 ほか
書誌情報
紙版
発売日
1981年05月06日
ISBN
9784061583092
判型
A6
価格
定価:1,155円(本体1,050円)
通巻番号
309
ページ数
351ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
その他: 国東 文麿(クニサキ フミマロ)