
今昔物語集(九)
コンジャクモノガタリシュウ
- その他: 国東 文麿

『今昔物語集』(9)──巻十──は震旦(中国)の世俗説話を収める。秦の始皇帝に始まり、漢の高祖、唐の玄宗など有名な歴史的人物がめまぐるしく登場。はるか異国に嫁がされる美妃王昭君の悲劇、絶世の愛妃楊貴妃の最期、偉大なる思想家孔子・荘子、養由・李広など勝れた武人の著名逸話が前半に並ぶ。以下巻末までは、無名の男・女、天狗、名医、学者、管絃の名手、盗人、老婆、酒飲み等々の話が多種多彩に展開し、豊かな人間像を描く。
- 前巻
- 次巻
目次
・秦の始皇、感楊宮(かんやうぐう)に在りて世を政(まつりご)つ語、第一
・漢の高祖、未だ帝王に在まさざりし時の語、第二
・高祖、項羽を罸ちて始めて漢の代に帝王と為る語、第三
・漢の武帝、張騫(ちゃうけん)を以て天の河の水上を見令(みし)むる語、第四
・漢の前帝の后王照(わうせう)君、胡国(ごこく)に行く語、第五
・唐の玄宗に后上陽人(きさきしゃうやうにん)、空しく老ゆる語、第六
・唐の玄宗の后楊貴妃(きさきやうきひ)、皇寵(くわうちょう)に依りて殺さ被る語、第七
・震旦の呉の招孝、流るる詩を見て其の主を恋ふる語、第八
・臣下孔子(くじ)、道を行き、童子に値ひて問ひ申す語、第九
・孔子逍遙して栄啓期(やうけいご)に値ひて聞く語、第十
・さう子(さうじ)、〔監河侯に〕粟を請ふ語、第十一
・さう子、人の家に行き、主、雁を殺して肴に備ふる語、第十二
・さう子、畜類の所行を見て走り逃ぐる語、第十三
・費長房(ひちゃうばう)、夢に仙法を習い、蓬莱(ほうらい)に至りて返る語、第十四
・孔子、盗跖(たうせき)を教ふる為に其の家に行き、怖ぢ返る語、第十五 ほか
書誌情報
紙版
発売日
1984年02月08日
ISBN
9784061583139
判型
A6
価格
定価:1,155円(本体1,050円)
通巻番号
313
ページ数
374ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
その他: 国東 文麿(クニサキ フミマロ)