
神話の話
シンワノハナシ

われわれの記憶のなかには、淡く太古の痕跡が生き残っている。何んの本で読んだともなく、だれから聞いたともなく知っている話、そこには神話の世界につながる或るものが棲んでいる。本書は、このような今も生きている世界各地のいろいろな神話、人類の起源にもつながる多種多様な神話を、箇々の神話の具体例を通して、人類文化史上に占める地位、神話の意味などを考察し、要所には分布図を入れて、大観しながらやさしく概説した。
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目次
1 海の神話
1.初めに万物をおおう水ありき
2.世界巨人が海を生み出した
3.泉からあふれた水が海となる
4.海の恐ろしさを体現する女神
5.内陸にみられる海のイメージ
6.根底に潜む海の創造力の観念
2 故郷の水・王国の水
1.移住と故郷の水
2.宇宙樹と聖泉
3.王権と水
3 魚の神話とシンボリズム
1.魚の概念は文化によって違う
2.魚の起源神話
3.国土は魚
4.口からの受胎
5.ヨナ型説話
6.魚の支配者
7.魚・獣・鳥
4 東西人魚覚え書
1.人魚の矛盾
2.八百比丘尼
5 失われた猿の睾丸
1.睾丸のない猿
2.人間から猿へ
6 地震の神話と民間信仰
1.はじめに
2.地震と牛
3.世界蛇と地震
4.地震鯰
5.大地を支える巨人
6.世界柱と地震
7.性交と地震
8.われわれはまだ生きている
9.人類文化史上の地震観念
7 縛られた巨人
1.2.2メートルの巨人
2.クルガン文化初期?
3.巨人の構築物
4.鎖づけの巨人
5.世界巨人の死
8.女神の死と豊穣
1.はじめに
2.農耕起源神話と女性
3.殺された女神
4.オホゲツヒメの神話と嫁殺し田
5.月と豊穣と死
6.月中の織女
7.大母神の誕生
9 日本神話の系譜
1.はじめに
2.イザナキ・イザナミの神婚
3.海幸山幸
4.最古の3王構造
書誌情報
紙版
発売日
1979年04月06日
ISBN
9784061583467
判型
A6
価格
定価:682円(本体620円)
通巻番号
346
ページ数
184ページ
シリーズ
講談社学術文庫