
十六夜日記・夜の鶴
イザヨイニッキ・ヨルノツル
- その他: 森本 元子

歌道家の名誉を守り、一家の生活を支えるため、亡夫の遺産は横領されてはならない。必死の思いで、阿仏は高齢60歳に近い身を、訴訟のため鎌倉にはこぶ。異郷滞在4年、判決を見ぬまま阿仏は死んだ。が、書きのこされた『十六夜日記』は、訴訟に勝つことよりもずっと高い価値をもって、文学史の上に生きている。『夜の鶴』は、阿仏がさる貴人の依頼で書いた和歌の入門書。具体的で平易な記述の中に、確かな知識と信念がうかがわれる。
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目次
【十六夜日記】
●序章
・水くきの跡
・やまと歌の道
・細川の流れ
・東(あずま)の亀の鏡 ほか
●旅路の章
・逢坂(おうさか)の関
・野洲(やす)の川霧
・関の藤川
・むすびの神 ほか
●望郷の章
・月影の谷(やつ)
・「いさよふ月」のたより
・しぐれのたより
・「雲井のあはれ」 ほか
●献歌
・注記
【夜の鶴】
・歌の道を得た人の書物を読むべきこと
・題の心を会得すべきこと
・題の心を古典・故事によそえて詠むこと
・歌を案ずるには下の句より上の句に及ぶべきこと
・本歌取(ほんかどり)の方法について
・未熟の人の古語をこのみよむまじきこと
・当代歌人の句をむやみにまねぶまじきこと
・歌には時代的変化とともに不易なるもののあること ほか
書誌情報
紙版
発売日
1979年03月08日
ISBN
9784061583733
判型
A6
価格
定価:968円(本体880円)
通巻番号
373
ページ数
241ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
その他: 森本 元子(モリモト モトコ)