
名詩鑑賞 中原中也
メイシカンショウ

(中也の詩における)青春の挫折感、社会からの疎外感、脱落感、けなげな姿勢、知的遊戯でない真の意味の「うた」、……そういうものは、すべての青春にとって無縁ではありえません。このような詩を生んだものは、中原中也という詩人の、稀にみる無垢な、傷つきやすい魂でした。この無垢な魂の真率な生活の記録が、くめどもつきぬ悲しみとなり、嘆きとなり、また、祈りとなって今日私達に残されているのです。(この本の「まえがき」から)
- 前巻
- 次巻
目次
まえがき
●青春の悩みと祈り
詩人の言葉 1 鑑賞◇青春の悩みと祈り
サーカス
朝の歌
臨終
都会の夏の夜
黄昏
冬の雨の夜
帰郷
夕照
少年時
盲目の秋
妹よ
寒い夜の自我像
夏
心象
汚れつちまつた悲しみに
つみびとの歌
生ひ立ちの歌
羊の歌
古代土器の印象
屠殺所
倦怠
夏と私
●生の中の死、死の中の生
詩人のことば 2 鑑賞◇生の中の死、死の中の生
含羞(はぢらひ)
夜更の雨
三歳の記憶
老いたる者をして
骨
北の海
頑是ない歌
お道化うた
わが半生
春宵感懐
曇天
ゆきてかへらぬ
一つのメルヘン
幻影
言葉なき歌
また来ん春
冬の長門峡
正午
蛙声(あせい)
いちじくの葉(いちじくの、葉が)
早春散歩
いちじくの葉(夏の午前よ、)
咏嘆調
別離
龍巻
山上のひととき
砂漠
一夜分の歴史
夏と悲運
年譜
うたい出し索引(五十音順)
書誌情報
紙版
発売日
1979年10月08日
ISBN
9784061584402
判型
A6
価格
定価:792円(本体720円)
通巻番号
440
ページ数
209ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
著・編: 中村 稔
装丁: 菊池 薫(キクチ カオル)