増鏡(上)

増鏡(上)

マスカガミ

講談社学術文庫

『増鏡』の成立は南北朝時代に入ってからと思われるが、その内容は、鎌倉時代の宮廷・貴族の歴史を、また、皇室と北条氏との争いを物語風に記述したものである。鎌倉時代の宮廷・貴族の生活には、まだまだ王朝風の優雅さが広く行きわたって残っているが、その雰囲気を生き生きと語っているのが『増鏡』である。その意味で、根強く生き残った王朝精神、王朝文化を余すところなく描ききった王朝文学掉尾(とうび)の名作といえるであろう。(全3巻)


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目次

第1 おどろのした
・後鳥羽院の出生・践祚(せんそ)
・後鳥羽院の在位時代
・水無瀬殿造営
・土御門(つちみかど)天皇即位
・勅撰和歌集のこと ほか
第2 新島守
・桓武(かんむ)平氏
・清和源氏
・頼朝の上洛
・二代将軍頼家
・実朝とその死  ほか
第3 藤衣
・後堀河天皇即位、後高倉院政
・仲恭廃帝と母后東一条院
・後堀河天皇の後宮(こうきゅう)と道家の栄華
・土御門院崩御
・新勅撰集の成立  ほか
第4 三神山
・土御門院皇子(後嵯峨天皇)の生い立ち
・女御入内
・土御門院皇子の有様
・四条天皇崩御
・北条泰時の対処  ほか
第5 内野の雪
・西園寺の建立
・順徳院崩御
・中宮安産の祈祷
・皇子(後深草天皇)誕生
・頼嗣将軍宣下  ほか
第5 内野の雪
・順徳院崩御
・内の最勝講・久我家八講、中宮安産の祈祷
・皇子(後深草天皇)誕生
・皇子の産養(うぶやしない)
・承明門院の幸運・宗尊親王の五十日(いか)  ほか
第6 煙の末々
・宇治御幸(一)
・宇治御幸(二)
・宇治御幸(三)
・内膳屋(うちのおものや)の火事──三箇の宝の釜
・宗尊親王御書始(おんふみはじめ)  ほか

書誌情報

紙版

発売日

1979年11月08日

ISBN

9784061584488

判型

A6

価格

定価:1,210円(本体1,100円)

通巻番号

448

ページ数

341ページ

シリーズ

講談社学術文庫

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