和泉式部日記(中)全訳注

和泉式部日記(中)全訳注

イズミシキブニッキ

講談社学術文庫

初めての宮邸泊まりの後、一気に燃え立つかに見えた2人の愛は、思いがけない誤解や中傷などのために、いく度も危機にさらされた。しかし、この試練を超えて、宮の愛はますます深まっていった。2人の恋の初めの頃、あれほど用心深く、理性的な面を見せていた宮が、昼間も訪れるようになり、やがては、甘え心さえ見せるほど和泉に心を開いていった。そうした愛の深まりの中で、和泉の宮邸入りの話も、だんだん煮つまってゆく。


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目次

19 明けぬれば、鳥のつらき
20 二、三日ばかりありて
21 またの日、おはしたりけるを
22 宮は一夜の事をなま心憂くおぼされて
23 さて後も待遠になむ
24 女は、まだ端に月ながめて
25 小舎人童(ことねりわらは)来たり
26 かくいふほどに、七月になりぬ
27 晦日(つごもり)がたに
28 かくて二日ばかりありて
29 その後日ごろになりぬるに
30 かかるほどに八月にもなりぬれば
31 あはれに思ひかけぬ所に来たれば
32 近くてだにおぼつかなくなし給ふに
33 晦日がたに、風いたく吹きて
34 九月十よ日ばかりの
35 女はやがて
36 風の音、木の葉の残りあるまじげに
37 宮わたりにやきこえまし
38 かくて晦日がたにぞ御文(おんふみ)ある
39 かく言ふほどに十月にもなりぬ
40 一夜の空のけしきの
41 格子(かうし)も上げながら
42 その夜の月もいみじう明かう
43 見れば、「よべの月は……」
44 見給うて、「今朝したり顔に……」
45 かくて2 3日音もせさせ給はず
46 2日ばかりありて、女車のさまにて
47 前近き透垣(すいがい)のもとに
48 またの日、「昨日の御気色(みけしき)の……」
49 霜のいとおもしろきつとめて
50 「このごろの山のもみぢは……」
51 おはしましたるに、こなたのふたがれば
52 何しかは、かうねんごろにかたじけなき

書誌情報

紙版

発売日

1985年07月05日

ISBN

9784061584747

判型

A6

価格

定価:1,056円(本体960円)

通巻番号

474

ページ数

272ページ

シリーズ

講談社学術文庫

著者紹介

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