和泉式部日記(下)全訳注

和泉式部日記(下)全訳注

イズミシキブニッキ

講談社学術文庫

敦道親王の物忌(ものいみ)先で、和泉式部は2人の初めての心安まるのどかな逢瀬を持った。それは彼女に「このまま宮邸に上がってしまいたい」と思わせるほどの幸福な体験であった。しかし、唯一の頼みである宮は、時に死や出家をほのめかして、かえって彼女を悲しませる。が、2人のはげしい愛は、すべてに勝った。一夜、宮はみずから迎えに来て、彼女を宮邸に伴う。北の方の怒りは、夫婦の破局を早め、翌年春、北の方は宮邸を去って行った。


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目次

53 かくのみ絶えず宣(のたま)はすれど
54 所たがへる御物忌(ものいみ)にて
55 いろいろ見えし木の葉も
56 またの日のまだつとめて
57 かくて、女、おどろおどろしうはあらで
58 十一月一日ごろ
59 その夜おはしまして
60 なにの頼もしき事ならぬど
61 女房はその後もあはれにおぼえて
62 このごろは御経習(きゃう)はせ給ひければ
63 いかにおぼさるる事にかあらむ
64 例の所にはあらで
65 二日ばかりありて北の対に
66 年かへりて、正月一日に
67 かくて候ふほどに
68 御北の方の御あねの
69 しばし。かくてあらむは
70 御乳母(めのと)、曹司(ざうし)なるものどもなど払はするを

書誌情報

紙版

発売日

1985年09月05日

ISBN

9784061584754

判型

A6

価格

定価:682円(本体620円)

通巻番号

475

ページ数

186ページ

シリーズ

講談社学術文庫

著者紹介

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