
中国古代の民俗
チュウゴクコダイノミンゾク
- 著: 白川 静

魯迅の弟、周作人に始まる中国の民俗学研究の歴史は浅く、研究方法もいまだ模索の段階にある。本書は「古代文字の構造を通じて考えられる古代人の生活と思惟、古代歌謡としての詩篇の発想と表現とを通じてみられる生活習俗のありかた、そしてそれによってえられたところのものをわが国の古代の民俗的な事実と対応させながら比較」考察するという3つの方法をもって、未開拓の中国民俗学研究という分野に正面から取組んだ労作である。
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目次
第1章 民俗学の方法
1 わが国の民俗学
2 中国の民俗学
3 古代文字と民俗学
第2章 古代歌謡と民俗
1 万葉集と民俗学
2 詩経と民俗学
3 発想の問題
第3章 言霊の思想
1 祈りについて
2 興的発想の展開
3 巫祝と文学
第4章 詩経民俗学
1 草摘みについて
2 祝頌の詩
3 恋愛詩の諸相
第5章 ト辞の世界
1 自然のいぶき
2 人間のありかた
3 社会の生活
第6章 語部と巡遊者
1 語部の文学
2 桑摘みの女
3 巡遊者の文学
第7章 月令と歳時記
1 月令の組織
2 農事暦と歳時記
3 通過儀礼について
書誌情報
紙版
発売日
1980年05月08日
ISBN
9784061584846
判型
A6
価格
定価:1,122円(本体1,020円)
通巻番号
484
ページ数
301ページ
シリーズ
講談社学術文庫