
堤中納言物語
ツツミチュウナゴンモノガタリ
- その他: 三角 洋一

『堤中納言物語』は、一〇編の物語から成る平安時代の短編物語集である。「このついで」「逢坂越えぬ権中納言」など伝統的なもののあわれの世界を描く一方、毛虫を愛し、顔かたち・行いがなみの姫ならぬ「虫めづる姫君」、美しい姫君ととりちがえて老尼を連れ出す「花桜折る少将」など、皮肉な笑いで人生の断面をとらえている。簡明な構成、強い印象の文章はむしろ近代小説の性格に近く、意匠のこらされた佳品群は中古文学中、異彩を放つ。
- 前巻
- 次巻
目次
1 花桜折る中将
2 このついで
3 虫めづる姫君
4 ほどほどの懸想
5 逢坂越えぬ権中納言
6 貝合
7 思はぬ方にとまりする少将
8 はなだの女御
9 はいずみ
10 よしなしごと
11 冬ごもる(断章)
書誌情報
紙版
発売日
1981年10月07日
ISBN
9784061585577
判型
A6
価格
定価:1,265円(本体1,150円)
通巻番号
557
ページ数
359ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
その他: 三角 洋一(ミスミ ヨウイチ)