
桃太郎の母
モモタロウノハハ

一見とるに足らぬような民間の俗信の断片にも人類文化史の主要な一節をたどる糸口の秘められていることを学問的に確信する著者は、わが国の桃太郎や一寸法師の昔ばなしの中に見られる〈水辺の小サ子〉の背後にひそむ母性像の源流を原始大母神と子神にまで遡及させる。その他併録の「月と不死」「隠された太陽」「桑原考」「天馬の道」「穀母と穀神」等いずれも、日本民俗学と比較民俗学とを結合させて画期的考察を加えた畢生の名著。
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目次
・月と不死──沖縄研究の世界的連関性に寄せて──
・隠された太陽──太平洋をめぐる天岩戸神話──
・桑原考──養蚕をめぐる文化伝播史の一節──
・天馬の道──中国古代文化の系統論に寄せて──
・桃太郎の母──母子神信仰の比較民族学的研究序説──
・穀母と穀神──トウモロコシ儀礼をめぐるメキシコの母子神──
書誌情報
紙版
発売日
1984年12月06日
ISBN
9784061586642
判型
A6
価格
定価:1,100円(本体1,000円)
通巻番号
664
ページ数
350ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
装丁: 蟹江 征治(カニエ セイジ)