
古代朝鮮と日本仏教
コダイチョウセントニホンブッキョウ

これまでの日本の仏教史研究者の多くは、朝鮮仏教の役割やその歴史的評価について、ほとんど無視してきたと思う。しかし、古代の日本仏教と朝鮮仏教との関わりからすれば、中国仏教よりも朝鮮仏教のほうが、より緊密であった。飛鳥仏教の形成に直接関与し、かつ最も重要な役割を果たしたのは朝鮮仏教であったと思う。仏教を東アジア世界の共通の宗教・思想・芸術・文化として考究する視点も必要なのではないか。(「まえがき」より)
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目次
1 アマテラスと天皇制
・1 天の岩戸の素材は朝鮮式古墳
・2 スサノオノミコトと新羅
・3 任那(みまな)滅亡と白村江(はくすきのえ)の戦いの以後
・4 藤原氏の役割
2 仏教の伝来
・1 先進文化としての仏教
・2 朝鮮半島の仏教事情
・3 受容と拒否──2つの立場
・4 天皇家の立場──拒否から受容へ ほか
3 古代仏教史の群像
・1 聖徳太子──人とその時代
・2 聖徳太子の学問と人生観
・3 「隠された十字架」の問題点
・4 再建法隆寺の謎 ほか
4 白鳳文化と統一新羅
・1 白鳳のなりたち
・2 氏族仏教から国家仏教へ
・3 花郎は弥勒の生まれ代わり
・4 聖徳太子信仰の寺々 ほか
5 古代朝鮮と九州
・1 韓国・北朝鮮との学問交流の必要性
・2 日本の古代仏教と朝鮮半島との関わり
・3 2つの烏含寺(おがんじ)
・4 渡来人と古代九州 ほか
付章 大宰府の成立
・1 大宰府と太宰府
・2 金印と奴国=筑紫
・3 三韓と三国──3~4世紀の朝鮮半島
・4 一大率という名の高官 ほか
書誌情報
紙版
発売日
1985年01月08日
ISBN
9784061586697
判型
A6
価格
定価:855円(本体777円)
通巻番号
669
ページ数
265ページ
シリーズ
講談社学術文庫