宮沢賢治 こころの軌跡

宮沢賢治 こころの軌跡

ミヤザワケンジ

講談社学術文庫

パトグラフィ(病跡学)とは天才の生涯と創造の過程を精神病理学的に解明する学問領域をいう。著者は精神科医としての知識を基に、伝記的事実の綿密な検討と作品との深い語りあいによって、短い生涯に多彩な変容をとげた天才賢治の精神力動、そのかげとひかりの生命的存在を追体験しようと試みる。逝ける妹とし子の「ふたりの世界」、「銀河鉄道」の始点と終着駅の追究は、従来の宮沢賢治論に新たな視座を加えたものといえよう。


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目次

第1部 修羅の明滅をもとめて
 ・1 かげりとひかり
 ・2 狂の問題
 ・3 周期性性格の創造性
 ・4 天才の病理と風土の病理
第2部 生涯と創造
 ・1 ゆりかごのうた
 ・2 思春期のあらし
 ・3 詩人の誕生
 ・4 愛の死
 ・5 村への道
 ・6 修羅からデクノボーへ
 ・7 終章
第3部 ふたりの世界の精神分析
 ・1 ふたりの世界
 ・2 広場への道
 ・3 「永訣の朝」から「銀河鉄道の夜」へ
 ・4 幼児的万能感と童話の世界
第4部 精神医学の性格学
 ・1 診断
 ・2 幻覚
 ・3 性格

書誌情報

紙版

発売日

1985年02月06日

ISBN

9784061586741

判型

A6

価格

定価:1,025円(本体932円)

通巻番号

674

ページ数

327ページ

シリーズ

講談社学術文庫

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