
美の本体
ビノホンタイ

岸田劉生は、『麗子五歳之像』に始まる娘麗子を主題とした一連の「麗子像」を描いて、まさに一世を風靡、当時の洋画壇に衝撃的な影響を与え、今なお観る人を魅了してやまない。美とは何か、青年劉生の緻密な美への志向は、実践家の立場からあくなき美(芸術)への探求を開始し、後期印象派、古典派から、終には写実に転じ「内なる美」を唱導していく。本書は、不滅な天才画家ゆえに、孤独な闘いを強いられた劉生にして初めて展開し得た芸術論。
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目次
●芸術観
・美術論
・内なる美
・美化
・自然の美と美術の美
・装飾論
・写実論
・素描論
・色彩論
・美術と道徳
・クラシックの感じ
・内容と技巧
・美と綺麗事のちがい
・製作余談
・写実の欠除の考察
・彩管余語
●雑感集
・自分が近代的傾向を離れた経路
・いろいろの事
・画を描く時
・腹が立つから言う
・僕の生き方、その他
・色刷会報より
・雑感(その一)
・自分の踏んで来た道
・ある画の裏にかいた詩と雑感
・雑感(その二)
・製作余談(その一)
・草土社展覧会のカタログ序文
・個人とこの世について
・製作余談(その二)
書誌情報
紙版
発売日
1985年09月05日
ISBN
9784061587014
判型
A6
価格
定価:1,025円(本体932円)
通巻番号
701
ページ数
332ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
装丁: 蟹江 征治(カニエ セイジ)