
自然学の提唱
シゼンガクノテイショウ

私はこの長い一生のあいだになにをしてきたか、ということを問いかえしてみると、終始一貫して、私は自然とはなにかという問題を、問いつづけてきたように思われる。それも何々学に代表されるような部分自然でなく、つねに全体自然というものを追い求めていたような気がする。私の求めていたものは自然学なのであった。自然を理解しようとする学問であり、自然観の学問であると定義してもよいかもしれない。(「自然学の提唱」より)
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目次
1 自然学に向かって
1.「今西自然学」について
2.自然問答
3.自然をどう見るか
4.進化論のルーツ――アンティセレクショニズムの立場から――
5.カゲロウ幼虫から自然学へ
6.自然学の提唱――進化論研究の締めくくりとして――
7.現象と原理
8.天動説の進化論
9.わが学問について
10.私の学問観
2 進化・自然・人間
1.進化史からみたオスの明暗
2.家族起原論ノート(1)
3.家族起原論ノート(2)
4.自然にたいして
5.D・アテンボロー著『Life on Earth(地球の生きものたち)』の推薦文
6.曼珠沙華
7.京の仕出屋
8.湖国の味
9.まむし
10.好ききらい
11.小林さんと私
12.私の1冊
13.1つのすすめ
14.リーダー論
15.藤岡知夫著『日本産蝶類大図鑑』の推薦文
3 山
1.桑原良敏著『西中国山地』に寄す
2.日本の山と私
3.名山考
4.『日本の名山』の監修の言葉――山たちとの再見を楽しむ――
5.『ザ・ヒマラヤ』の序文
6.1300山の「しおり」の序
7.「1400山のしおり」刊行の言葉
8.老登山家は語る
9.高齢に挑む
10.山上の教育
11.あとがき
12.初出一覧
書誌情報
紙版
発売日
1986年06月05日
ISBN
9784061587373
判型
A6
価格
定価:855円(本体777円)
通巻番号
737
ページ数
264ページ
シリーズ
講談社学術文庫