
東洋的無
トウヨウテキム

東洋的無という名称は、かくよばれるものが古来西洋においては稀なる東洋独特なものであり、しかも特に東洋的といわれ得るものの根本契機となるもので、それ自体はもっとも旧稿に属する「賓主未分」より、もっとも新しき「東洋的に形而上的なるもの」に至るまで、一貫してそれらの底を流れているものである。禅に関する諸稿はもとより一般宗教哲学や西洋哲学に関するものも、それらを縁じてこの東洋的無を闡明(せんめい)しようとしたものである。
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目次
●前篇
・東洋的に形而上的なるもの
・東洋的無
・真仏の所在
・聖の否定としての禅
・禅
・禅芸術の理解
・禅の弁証
・プロティノス
・神と創造
・賓主未分(ひんしゅみぶん)
●後篇
・宗教的批判の根本義
・宗教性と人間学
・人間性の限界外の宗教
・道徳律と宗教律
・宗教的作用
・救済の論理
書誌情報
紙版
発売日
1987年01月06日
ISBN
9784061587700
判型
A6
価格
定価:1,012円(本体920円)
通巻番号
770
ページ数
314ページ
シリーズ
講談社学術文庫