
聖徳太子
ショウトクタイシ

本書は、久しく法隆寺の再建・非再建をめぐって謎とされてきた諸問題を、文献批判と美術史家の立場から物のかたちを通して克明に論証したものである。たとえば、法隆寺建築の細部に初唐様式の影響が見られる点まぎれもない白鳳様式であること、法隆寺金堂再建のさい玉虫厨子の建築的意匠が模倣されたことなどを指摘し、あわせて太子の釈迦信仰の姿をさぐる。著書の『斑鳩の白い道のうえに』とならぶ、名著と評価の高い聖徳太子論。
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目次
序 不死鳥の寺・法隆寺
1 法隆寺の創建
1.四天王寺建立(してんのうじこんりゅう)と太子の誓願
2.守屋の所領と法隆寺
2 斑鳩(いかるが)と太子コロニーの誕生
3 法隆寺の再建
1.初唐の天蓋と金堂
2.玉虫厨子と金堂
4 太子の信仰と芸術
1.『勝鬘経義疏』と玉虫厨子
2.釈迦信仰と太子
書誌情報
紙版
発売日
1987年03月04日
ISBN
9784061587823
判型
A6
価格
定価:836円(本体760円)
通巻番号
782
ページ数
216ページ
シリーズ
講談社学術文庫