老子の思想

老子の思想

ロウシノシソウ

講談社学術文庫

本書は、老子の『道徳経』を現代思想の観点から読みなおしたものである。著書は序において「道」(タオ)の思想がヨーロッパ思想にどのように影響してきたかを検討し、東洋思想と西洋思想の根本的相違を論じる。つづいて、『道徳経』の各章にわたって訳しながら、ハイデッガー、西田哲学、ユング心理学をベースに注釈を加えている。中国思想での解釈の枠を越えた、従来の思想のパラダイムを変える“新しい思惟への道”を提示した画期的な書。


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目次

1 道の驚き
2 矛盾の統一
3 差別のない知識
4 無による放下(ほうげ)
5 静穏の心
6 空(くう)の精神的現実
7 無自己による自己
8 水のようなもの
9 自然の道
10 心の二面性の統一
11 空のはたらき
12 感覚からの解放
13 自己の洞察
14 形なき形
15 道にすぐれた人
16 空虚の熟視
17 最上の指導者
18 道が衰えると
19 自己と宇宙の結合
20 母のイメージ
21 計りがたい道
22 対立と同一
23 同一性と本質
24 独立自全の純活動
25 ものの意味
26 静かさと不安
27 無為の行為
28 原初の非区別の状態
29 無為の重要性
30 執着(しゅうじゃく)からの自由
31 静寂さの養成
32 水源としての道
33 自己を知ること
34 本当の偉大さ
35 大いなる象(イメージ)
36 ものの自己否定
37 意図のないこと
38 非意志の徳
39 「一」を得ること
40 後戻り
41 最高の徳
42 創造性の原理
43 行動のない行動
44 中庸(ちゅうよう)の教え
45 無の静寂
46 無思想の思想
47 直観による知
48 減少と無為
49 区別のないもの
50 大死と道
51 道と徳
52 内なる光
53 大きな道
54 自己同一性の実践
55 自然の調和と徳
56 道との同一性
57 静けさによる統治
58 道の中道
59 国の統治
60 道が普及すれば
61 つつましさ
62 天下で最も尊いもの
63 対立物の動き
64 無志の志
65 無知
66 つつましさの例
67 3つの宝
68 争わない徳
69 慈(いつく)しみ
70 同一体験と理解
71 知らないこと

書誌情報

紙版

発売日

1987年07月06日

ISBN

9784061587892

判型

A6

価格

定価:1,210円(本体1,100円)

通巻番号

789

ページ数

342ページ

シリーズ

講談社学術文庫

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