
祭りと信仰
マツリトシンコウミンゾクガクヘノショウタイ

本書は、東北の恐山や伊豆利島、吉野・熊野の祭りと信仰など、日本の農山漁村の民衆の間に培われた伝承文化を追究した民俗採訪記である。著者の学問的な関心が当初の地理学から歴史学、そして民俗学へと移行した、その転機をなしたのが柳田国男との出会いであった。以来民俗調査へと深く沈潜し、やがて桜井民俗学の結実を見るに至る。宗教と歴史と民族を包括した複眼思考のもとに民衆の基層文化の構築を目ざす桜井民俗学への招待。
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目次
●第1部 日本の精神的風土
・東北の民間信仰
・みちのくの民俗
・死霊の誘い
・祭りと信仰
・孤島の哀愁──八丈小島
・黒潮洗う離島──伊豆御蔵島(いずみくらじま)
・伊豆利島(としま)の奥霊様(おくだまさま)
・吉野・熊野の信仰
・淡路島新風土記
・鬼ヶ島の祭礼と若者たち──讃州(さんしゅう)女木島(めぎじま)祭礼聞書(ききがき)
・宇和の俗信
●第2部 歴史探究と民俗学
・歴史を探る民俗学
・卑弥呼と民俗学
・講の研究と民俗学──民俗研究の動向
・日本人の祖先観
・死の儀礼──埋葬・墓制・供養など
・生と儀礼──王朝時代の通過儀礼
・抜け参りと民間信仰──民間における伊勢信仰の原初形態
・門前町の移り変わり──宗教都市成立の歴史民俗学的考察
・正月行事ノート
・近世東国の民衆生活──『おくのほそ道』と『東遊雑記』
・明治百年と靖国神社──日本における御霊(ごりょう)信仰の系譜
書誌情報
紙版
発売日
1987年12月04日
ISBN
9784061588127
判型
A6
価格
定価:1,100円(本体1,000円)
通巻番号
812
ページ数
328ページ
シリーズ
講談社学術文庫