
西欧文明の原像
セイオウブンメイノゲンゾウ

西ヨーロッパは、ほぼ一千年に及ぶ各地、各国の争いを克服して、今その大陸主義の姿をあらわしつつある。本書は、12、13世紀と現代を絶えず往復しながら、ヨーロッパ文化圏に内在する根源的な要素を探り、西欧文明の原像を再構成するため、象徴的な森の意味をはじめ、農村、城(貴族)、都市の4つに視点を捉えてその歴史的な意義を明らかにした。国民国家から大陸型国家への変貌を追求する斬新な史眼が捉えた野心的な文明論。
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目次
1 序説
1.歴史的思考とヨーロッパ
2.時代と個人
3.対話と精神とアメリカ
2 変貌する現代ヨーロッパ
1.フランスの古い顔と新しい顔――パリとマルセイユ
2.西ヨーロッパにとっての古典古代
3.新しいヨーロッパの誕生
3 ヨーロッパの原像
1.産業社会と農業社会
2.森の王国
3.森と都市のあいだ――農民の世界
4 ヨーロッパの法と社会
1.殺しの思想
2.豚の裁判
3.古代ゲルマンの家と女性
4.戦士集団と家の子集団
5 貴族の心――ヨーロッパ型支配の構造
1.騎士道と公共の観念
2.ゴヤのマハと高枕
3.天皇訪欧があきらかにしたもの
6 都市――枠の文化
1.ヨーロッパ市民の生活感覚
2.冬のパリ
3.枠の文化
7 近代の神話
1.ジャンヌ・ダルク
2.神秘学の復活
3.魔女狩りの精神風土
4.宗教改革とは何か
5.進歩の観念
書誌情報
紙版
発売日
1988年01月07日
ISBN
9784061588158
判型
A6
価格
定価:1,068円(本体971円)
通巻番号
815
ページ数
418ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
装丁: 菊地 薫(キクチ カオル)