
「日本らしさ」の再発見
ニホンラシサノサイハッケン

「日本らしさ」とはなにか。「恥」「甘え」「「タテ社会」「自我不確実感」などのキー概念を用いたこれまでの日本人論は、欧米人とは正反対の、主体性がなく、集団に埋没し、上下の関係にうるさく、それでいてまわりの人の評判を気にしすぎる、という行動特性を挙げるにとどまった。本書は、日本人自らの立場から考え出された「間人(かんじん)」という概念によって、従来の「個人」中心の人間モデルによる分析の不備をつき、新しい主体的日本人像を描く。
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目次
●1 日本人の行動パターン──状況中心の行為
1 日本人の原行動──一つの具体例
2 標準型行為と規範型行為
3 エートスとしての個別=状況主義
4 状況倫理のメリット
●2 東洋と西洋の人間観──「間人(かんじん)」と「個人」
1 「自分」と「自我」
2 「人(レン)」と「パーソナリティ」
3 間人主義と個人主義
4 「間人」における恥と罪
●3 日本人にとっての間柄──〈縁〉と「甘え」の社会心理
1 〈縁〉と「間柄」
2 人間(じんかん)回路のコミュニケーション
3 「甘え」の心理再考──PSH原理
4 「恩」と「義理」
●4 日本型組織の構造と機能──原組織のイエモト
1 日本の「家」・同族・イエモト
2 原組織・メタ原組織・実組織
3 〈縁〉約の原理と日本社会の近代化
4 稟議制度と日本人の連帯的自律性
●5 「日本らしさ」とは何か──アウトサイド・インの原理
書誌情報
紙版
発売日
1988年05月02日
ISBN
9784061588288
判型
A6
価格
定価:1,100円(本体1,000円)
通巻番号
828
ページ数
340ページ
シリーズ
講談社学術文庫