
動物という文化
ドウブツトイウブンカ

霊長類は一等進化した動物だという。それならサルはトカゲより優れているのか。そのトカゲだが背骨のあるぶんミミズよりはマシか。ヒトを頂点とし以下最下等の原生動物まで優劣の基準で序列化する近代主義の動物観に著者は疑いをもつ。「下等」動物たちがなぜ淘汰されずに何万年も悠々と生きているか。動物たちの体の仕組みの多様さと環境適応の巧妙さを例示しながら、科学的にかつ興味ぶかく動物界の全体像をえがく最良の入門書。
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目次
●1 動物のパターン
1 地球と生物の誕生
・地球と生物
・地球の起源
・地球の歴史 ほか
2 動物のさまざまな文化
・進化と適応
・生物のパターン
・「単細胞」文化というパターン ほか
●2 動物の生きる条件
1 動物のからだの装置
・エネルギー源をとりこむ装置
・呼吸の装置
・循環の装置 ほか
2 装置の基本単位――細胞
・細胞の構造とはたらき
・細胞の構造
・特殊化した細胞
3 装置の組立て――発生
・発生という魔術
・細胞分裂
・外胚葉と内胚葉 ほか
4 外界をとらえる
・生きていくための情報
・情報の利用法
・走性 ほか
5 種の存続
・種とはなにか
・種の多型性
・個体群としての種 ほか
6 進化
・バランスと変化
・100年でおこった種の変化
・ダーウィンの進化論 ほか
書誌情報
紙版
発売日
1988年12月05日
ISBN
9784061588547
判型
A6
価格
定価:836円(本体760円)
通巻番号
854
ページ数
234ページ
シリーズ
講談社学術文庫