
日本語と世界
ニホンゴトセカイ

高く揺ぎなく聳える本居宣長の国文学。しかし著者はその根底に、若き日の宣長を新しい学問へと駆り立ててやまなかった人間の熱い秘密を探り当てる。人は何のために学問をするのか。学問とは何か。根源的な疑問に答える巻頭講演を初め、上代文法・日本語系統論など11の論文を収録。既に巨きな業績をあげながらなお未知の真実の解明を目指して前進する著者の、方法と行動と情熱が凝縮した論文集。
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目次
●第1部 語学と文学の間
・語学と文学の間――本居宣長の場合
言葉の学問・芸術/大槻文彦の「大言海」/幕府の倒壊/上田万年と国字改革/ヨーロッパ留学 ほか
・橋本先生の国語学講習
●第2部 日本語について
・文法ぎらい
・ハとガの源流
・日本語について
・日本語の将来
・稲荷山古墳出土鉄剣の銘文
・狭山事件の脅迫状は誰が書いたか
●第3部 日本語はどこから来たのか
・日本語の誕生
ヤマトコトバとは何か/借り入れ語のいろいろ/言語の系統――基礎語の対応/言語の系統――文法と発音/日本語の親戚語 ほか
・日本語はどのくらい古い言語か
・日本語と朝鮮語との語彙の比較についての小見
1 日本語の母音調和と朝鮮語の母音調和
2 男性母音と女性母音の交替による語構成法の類似
3 日本語と朝鮮語との母音の対応
4 日本語と朝鮮語の子音の対応
5 代名詞・人体に関する語・数詞の比較
・日本語の系統論の新しい展開
書誌情報
紙版
発売日
1989年09月05日
ISBN
9784061588936
判型
A6
価格
定価:1,068円(本体971円)
通巻番号
893
ページ数
364ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
装丁: 志賀 紀子(シガ ノリコ)