
常世論 日本人の魂のゆくえ
トコヨロン

常世とは、水平線の彼方に対する憧憬と死がまじり合ったもの。しかし常世は、祖霊の在(いま)す幽界や黄泉の国、そして沖縄のニライカナイともつながる。著書は、そうした世界が観念化される以前の原風景を求めて、補陀落(ふだらく)渡海や浦島伝説、また産小屋の問題などに立ち向かう。新しい発見の感動に支えられて、柳田・折口両先学らの論を一歩進めようと、日本人の原郷意識に挑んだ谷川民俗学の代表作の1つ。
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目次
●1
・海彼(かいひ)の原郷――補陀落渡海(ふだらくとかい)
・常世(とこよ)――日本人の認識の祖型
●2
・若狭の産屋(うぶや)
・南(ぱい)の島(すま)
・ニライカナイと青(おう)の島
●3
・越(こし)の海
・志摩の記
・淡路の海人族(かいじん)
・常陸――東方の聖地
・丹後の浦島伝説
・美濃の青墓
●終章
書誌情報
紙版
発売日
1989年10月05日
ISBN
9784061588974
判型
A6
価格
定価:946円(本体860円)
通巻番号
897
ページ数
286ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
装丁: 島田 拓史(シマダ ヒロシ)