
神話の系譜
シンワノケイフニホンシンワノゲンリュウヲサグル

日本神話は、世界各地のさまざまな文化を吸収して開花したといわれる。著者は、世界的視野から日本神話の比較分析を系統的に行ない、その源流に光を当てた。「イザナキ・イザナミ神話と中国の伝説」「日本と朝鮮の農耕起源神話」「天孫降臨神話とモンゴル神話」などの比較考察により、日本神話の中軸をなしているのは、王権神話であると指摘する。系統論を中心にすえて展開した画期的な日本神話の系譜。
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目次
1 世界を視野に入れて
1.目から生まれた太陽
2.海の起源――流動する水
3.女軍
4.真室川の《饗食》――背中合わせの男女
5.二代つづきの異常出産――日本・中国・ヒッタイト
2 中国の民間伝承と比較する
6.中国内陸の水入たち――浦島と海幸山幸
7.イザナキ・イザナミ神話と中国の伝説
8.《白娘子(はくじょうし)》と《化け鯰(なまず)》
――江南の伝説と日本の海幸山幸神話
9.神々の集会と人間の結婚
3 朝鮮神話との関係
10.日本神話と朝鮮神話
11.日本と朝鮮の農耕起源神話
4 北方ユーラシア・印欧世界への視線
12.宇気比(うけい)神話イラン・シベリアの神話
13.天上他界観
14.天孫降臨神話とモンゴル神話
15.アメワカヒコとコローニス
16.百合若伝説と内陸アジア
17.日本とイラン――中世の2つの伝説
5 つらなる東南アジア・オセアニア
18.日本神話と東南アジアの神話――天地分離と海幸山幸
19.火の起源神話
20.火と水
21.国生み神話の源流
22.うぶめ鳥とポンティアナク
23.日本と東南アジアの柱祭
24.《無為の中心》と《全体性》
書誌情報
紙版
発売日
1991年02月05日
ISBN
9784061589575
判型
A6
価格
定価:1,210円(本体1,100円)
通巻番号
957
ページ数
338ページ
シリーズ
講談社学術文庫