
日本人の自伝
ニホンジンノジデン

わが国の自伝的著作の系譜を通観し、もっとも秀れた2つの自伝、内村鑑三『余は如何にして基督信徒となり乎』と、福沢諭吉『福翁自伝』を対比・分析する。さらに山鹿素行、新井白石、松平定信等、近世日本人の自伝における武士的自我へと遡り、日本人の心性の根幹を精緻に講究。自伝というジャンルの東西文学史上の位置を展望しながら、日本人の「我」の自覚の歴史を解明する著者のライフワーク。
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目次
第1章 自伝の系譜――公的なもの、私的なもの
第2章 勝小吉と鈴木牧之――私を語る根拠
第3章 内村鑑三1――聖と俗
第4章 内村鑑三2――原型と独創
第5章 福沢諭吉――「俗」なる自我の魅力
第6章 フランクリンと福沢諭吉――俗なる自我を支えるもの
第7章 新井白石1――武士的自我のかたち
第8章 新井白石2――父のイメージ
第9章 山鹿素行――武士的エゴチズムの系譜
第10章 松平定信――大ディレッタントの自我構造
第11章 江馬細香と頼山陽、只野真葛と滝沢馬琴――女流自伝の幻
第12章 七世市川中車と初代・三世中村仲蔵――演技者の自意識
書誌情報
紙版
発売日
1991年08月05日
ISBN
9784061589841
判型
A6
価格
定価:812円(本体738円)
通巻番号
984
ページ数
286ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
装丁: 蟹江 征治(カニエ セイジ)