
二十一世紀の人類像―民族問題を考える―
ニジュウイッセイキノジンルイゾウミンゾクモンダイヲカンガエル

噴出する世界の民族問題をどう考えるべきか。東西冷戦後の世界は21世紀へむけ国家体制を乗りこえ民族のせめぎあいが強まる。民族・人種・国家の概念さえ判然としないわれわれ日本人は、それらの理解なしには世界に貢献できない。ますます強まる民族の自己主張の本質はなにか。本書は卓越した見識をもつ著者が豊富なフィールドワークから世界を見る目=民族学的視点を開示する刮目の書である。
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目次
●緒論 民族とはなにか
生得的と習得的/人種と民族/社会的遺伝/文化のあり場所/民族学の研究 ほか
●21世紀の人類像
1年たった民博/21世紀をめざして/変容の時代/1万年の生涯/開発の時代 ほか
●国際紛争の理解のために
民族学という学問/中東情勢の誤解/イランのイスラーム教 ほか
●あらたなるバベルの塔の時代
民族学博物館の言語/フィールド・ワーク/多様なる言語 ほか
●もう1枚の文化地図がみえる
松林と杉林とは種類がちがう/少数民族どころか「大数民族」/もう1枚の文化地図がみえる ほか
●国家と民族と言語
言語学習のすすめ/博物館の言語ポリシー/日本語の系統 ほか
●多民族国家の論理
あたらしい「名所」/新彊ウイグル自治区/国際より民族際 ほか
●新聞解読のための民族学
モロ族の反乱/ダライ・ラマの運命/ガンジー首相の暗殺 ほか
●日本のなきどころ
国民・民族・人種/民族問題の根/20世紀の意味 ほか
書誌情報
紙版
発売日
1991年09月06日
ISBN
9784061589865
判型
A6
価格
定価:855円(本体777円)
通巻番号
986
ページ数
260ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
装丁: 蟹江 征治(カニエ セイジ)