
永遠のロ-マ
エイエンノローマ

イタリアの一ポリス・ローマは、どのようにして世界帝国へと発展していったか。繁栄を享受するローマと、その支配に抵抗する諸民族の戦いを通して築きあげられたパクス=ローマーナ(ローマの平和)とはなんであったか。そして「永遠の支配」を誇ったローマは、なぜ滅びなければならなかったか。ひとつの文明の生成と没落を通して、危機的状況を深める現代文明の行く末を直視する、著者快心の力作。
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目次
1 ローマとゲルマン――410年へ1
1.ローマ・ゲルマン500年史
2.西ゴート、ローマに入る
2 「永遠のローマ」の禍い――410年へ2
1.ローマ人のゲルマン人に対する優越意識
2.キリスト教的「ローマ理念」の成立
3 肉体の死と戦うローマ帝国――410年から1
1.5世紀前半のローマ帝国の政治情勢
2.東西両帝国の異なった歩み
3.5世紀後半のローマ帝国の政情
4.西ローマ帝国「滅亡」以後
4 永遠への戦い――410年から2
1.最初のショックとその緩和
2.一ガリア人の数奇な運命――ペルラのパウリーヌス
3.ガリア=ローマの戦い――アポリナーリス=シドーニウス
4.ローマの死と復活――サルウィアーヌスのばあい
5.ローマの死と復活――アウグスティーヌスのばあい
5 平和の代償――パクス=ローマーナ1
1.支配と平和
2.自由と平和
3.ユダヤとローマ
4.平和の拒否の代償
6 平和の構造――パクス=ローマーナ2
1.平和への讃歌
2.支配の形成過程
3.帝国支配の構造
4.支配と正義
7 ローマ人の内幕
1.文明の爛熟の中で
2.秘めごとの世界
3.宮廷の内幕
8 ローマ人の生と死
1.ローマ人のもう一つの顔
2.永遠への努力――ある生きがい
書誌情報
紙版
発売日
1991年10月07日
ISBN
9784061589896
判型
A6
価格
定価:1,210円(本体1,100円)
通巻番号
989
ページ数
408ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
著: 弓削 達(ユゲ トオル)
装丁: 蟹江 征治(カニエ セイジ)