
茶の湯事始 初期茶道史論考
チャノユコトハジメ

戦国時代末期の乱世に発展した茶道文化は、書院茶と草庵茶という2つの流れをもって人々の間に浸透した。両者を統一し、大成したのが千利休である。相阿弥作とされる『長歌茶湯物語』をはじめ様々な資料を駆使して、茶道点前の成立、炭・灰の仕様、懐石料理の誕生などを具体的に論じ、珠光から昭鴎をへて利休に到る初期茶道の様相を鮮やかに再現する。次代のあるべき茶道界の姿をも示唆する好著。
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目次
●第1章 茶道点前(てまえ)の成立
1 茶会の成立
2 台子(だいす)の伝法
●第2章 伝相阿弥(そうあみ)『長歌茶湯物語』と初期茶道
1 『長歌茶湯物語』成立をめぐる問題
2 茶道形成期における『長歌茶湯物語』の位置
●第3章 茶の湯事始
1 茶事の成立
2 茶会への招待
3 薄茶(うすちゃ)と濃茶(こいちゃ)
4 「路地」から「露地」へ
5 会席と懐石
6 茶と菓子
7 花と花入
8 床と掛物
9 侘び
●第4章 茶の湯灰・炭考
1 火相(ひあい)・湯相(ゆあい)の妙
2 風炉(ふろ)
3 五徳(ごとく)の据え方
4 灰の種類
5 灰形(はいがた)
6 灰の作法
7 茶の灰のはなし
8 灰を焼く
9 炭手前(すみてまえ)の成立
10 炭をつぐ
書誌情報
紙版
発売日
1992年01月07日
ISBN
9784061590090
判型
A6
価格
定価:946円(本体860円)
通巻番号
1009
ページ数
282ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
装丁: 蟹江 征治(カニエ セイジ)